「ヘッヘッヘッ、趣味の悪いネクタイじゃのう」
その奇妙な夜は、この老婆の無礼な言葉で幕を開けた。
この世は幻、占いこそ真実なり。
ぼくは初めて占いというものをやってもらおうと思ったが、
すぐに後悔した
「ほほう、おまえさんは恋愛の事で相当悩んでおるようじゃな」 この老婆は勝手に恋愛のことを占おうとした。
「その相手とは話もしたこともない、片思いじゃ!」
ぼくは、老婆の不思議な言葉に魅入られるかのように、
彼女の写真を出した。
「おおう、なかなかかわいい娘じゃのう!」
彼女の名前は小田桐舞、年齢は17歳。
ぼくは通学途中の彼女に一目惚れをし、
それ以来彼女のことを想い続けている。けれど口下手な
ぼくは、まだ一度も彼女と話をしたことがなかった。
「おまえさんは、この娘に自分のイチモツを
ブチ込みたいわけじゃな!
図星じゃろ!」ムリですよ!そんなことができるんですか!
「そのムリを叶えてやるのが、オババの仕事じゃ!嘘だと思うなら、ほれ、
この水晶玉をよーく見てごらん!」

 戻る   進む