【XCITY Mag】（前編）フリーランスのAV女優ってなによ!? あまりにも知らなさすぎたその実態に迫る！ フリー女優連盟代表・かさいあみを直撃！【フリーAV女優という生き方】

読者のみなさんこんにちわー！ かさいあみです、よろしくお願いします…どうしました？

えっ、あれっ、でも盛ってないですよ、むしろノーブラなんですよ今日。

とか言ってメチャメチャ見てますね(笑)。

よろしくお願いしますね。

シンプルに説明すると「プロダクションに所属せず、個人で仕事を請けてＡＶのお仕事をしている女優さん」のことです。

同じです。

私自身もフリーになって３年目になるんですが、改めて業界を見まわしてみると「思っていた以上にたくさんいらっしゃるな」と思ったんですね。

プロダクションに入っているとマネージメントをお任せして、自分は現場で全力でやればいいという楽さがある一方で、いろいろな制約もあって息苦しく感じてしまうと言う人もいて、だから個人でやっていくことにしたという人もいらっしゃるし、そもそも最初からプロダクションには一切所属したことのないままAV出演してこられた方もいます。絶対にみなさんAVで見たことあるはずですよ？

ツイッターで「フリーAV女優」で検索するとプロフィールにそう書いている女優さんは結構見つかりますよ。あとはね…たとえば学園物作品で、教室の後ろのほうに座ってる女の子がよくいるじゃないですか。

本編ではカラミはないけどパンチラしたりおっぱい出したり、エキストラ出演する人たちはフリーでやってらっしゃる女優さんたちですね。

あと、特殊技能を持っている方。

ガチのSM物で登場する女王様だったり、緊縛師さんがそうですね。一朝一夕では身につかない技術なので、撮影のために招かれて出演しているんですね。他にも前立腺責めのエステティシャンやソーププレイの講習役で出演する泡姫さんなんかもいます。

彼女たちはお店に所属していたり、個人でサークルを主宰されたり独立している方。最初からフリーの女優さんというのはこういう方が多いです。

確かにそれはあるかもしれませんね(苦笑)。でも、私たちフリーランスAV女優連盟ではＡＶに出演するすべての女性たちをまとめて「ＡＶ女優」としています。

そうですよ。

逮捕(笑)。

過去にカ○ビアンコムというサイトの無修正動画に出演したことがあって、それで捕まったんですよ。

当時の風潮として、「海外の無修正AVはグレー」という空気で、当時はプロダクションにも所属していたのでちゃんと正規の手続きを踏んで、お仕事として請けていたんです。

そうなんですよ、出てる側にしてみればモザイクのあるなしでやってることは変わらないかなと思っていたんで、完全に普通のAVと変わらない感じでお仕事のひとつとして出たんですね。

すごい経験しちゃいました(苦笑)。そして、そういう時に守ってくれなかった事務所にも不信感は増して、そのうちその事務所も消滅してしまうんですが…そんなきっかけでフリーでやっていくことになったんですよ。

よく「会社員が独立してフリーSEとして活躍！」みたいな記事がありますけど、それと同じで収入アップを目指したり、女優業に限らずいろんなことに挑戦したい人がプロダクションを辞めてフリーになるというケースは多いと思います。私も逮捕が無ければそういうパターンでフリーになっていたかもしれません。ただ逮捕があったから…(笑)。

ありますね。

そういう方は本当に副業。家庭に入っていたりほかにお仕事をお持ちの方が、AVにも出演するというパターンです。

エキストラの子たちは、収入面を考えてフリーでやっている子が多いですよ。主演女優と違ってエキストラのギャラってそう高くはないんですね。

とくにいまはAV業界もギャラが高くはないですから…

これでプロダクションに所属していたりすると、シビアなところなんやかんやで差し引き手取り何千円ということも珍しくありません。

そこで独立した一個人として、直接メーカーさんや制作さんと話してお仕事をとっているんです。

基本的にそうですね。

いやいやいやいやっ！

ありがたいことにそういうパターンもあるんですけど、基本的には仲のいいマネージャーさんや制作さん、同じフリーの女優さんからの紹介という横のつながりでお仕事をいただきますね。

フリーでやってらっしゃる他の女優さんにはメーカー公式SNSにDMを使って連絡を取って営業したりなんて事もあると聞いています。

プロダクション所属経験もあるから比べられる話ですけれど、それまではマネージャーさんに連れられるままにメーカーさんにお邪魔してお話するだけだったメーカー面接、監督面接…平たく言うと自己アピールの場なんですけど、その段取りをどうつけるのかは知らなかったんですよ。

本当にまかせっきりだったから…

なので、フリーになりたての頃は分かってるようでなんにも分かっていない事がいっぱいあって大変でしたね。

売り込んでくれるマネージャーさんが隣にいれば、最低となりでニコニコしてるだけでお仕事につながるんですけど、一人だからプレゼンはガンガン押していかないといけないし。

心は鋼ですね！

出来ますよ。

出来ますけど、お仕事なんでちゃんと具体的なお話は聞かせて頂いて、その上でのお返事になるので当然お断りすることもありますよ。

これまで個人の方から

「オリジナルAVかさいさんで撮りたいんですが」

というオファーはいくつもあったんですが、過去に撮影したものや作例もないのでどういう人がどういうつもりで撮っているのかが分からないことが多いし、どういう媒体で出すのかと聞いても

「F○2動画で公開します」とか、

それはもうAVじゃないですよねえ…と頭抱えちゃうことも多かったので、個人からのオファーはほとんどお仕事として実現しなかったんですよね。

全部が全部、そんなあやし過ぎるオファーというわけではないですけどね。フリーの女優さんの多くはツイッターのDMは開放してますし、お仕事をお願いしたい場合はそこから連絡を取って、しっかり内容を詰めていくのがいいんじゃないでしょうか

めちゃめちゃ来ますよ。ツイッターのピン止め投稿で「DMはお仕事のみ」って書いてあるんですけど、「いくらでやらしてくれますか」とか。

「お仕事のお願いです、僕と結婚してください」とか。

そしてチンコの写真が毎日送られてきます(笑)。AV女優さんのSNSって、DMに関しては事務所がしっかり管理していたりするんですけど、私はフリーなんで自分でチェックするわけだからどうしても目に入るんですよね。「あ～、また来たか」って。

面白いやつは全部スクショで保存して、プライバシーには配慮したうえで年に2～3回くらい「面白DMコレクション」として公開してます、どんなものでも無駄にはしないぞと。

そうなんですよ、なんでか送っていいと思われてるんですかね(苦笑)。でもそんなので気が滅入ってたら仕事にならないんですよ。

チンコだけじゃなくて10年やってるともう誹謗中傷もやたら浴びますよ、ブスとか死ねとか…

うんこならまだいいけれど

ボキャブラリーが貧困な罵詈雑言が多いので、「もうちょっと面白いのお願いします」、「そんなDM送ってくる時間があったらね、楽しくご飯を食べたほうがいいよ」って返信はしてるんですけど。

不思議なもので、そうやってるうちに改心してDM送らなくなる人もいるし、のちのちイベントにやってきて「あの時はすいません、実はあのDM送ったのは僕で…」って謝罪してくれる人もいるし。

誹謗中傷のDMでも無駄にはしない、これを「誹謗中傷営業」って呼んでるんですけれど(笑)。

自由であることが一番かな！

いやいやいや、たとえば飲みの席とかで雑談してるなかで盛りあがって、「これ実現したら最高では？」なんてアイデアがあったとしても、いくら私が面白いなーやりたいなーと思ってても、「かさいあみの仕事」となったらプロダクションを一度通してもらわないといけないんですね。

そこで私に決定権があれば「うん、やろう！」なんですけど…なんでもそうですけど、その場の勢いっていいじゃないですかぁ(いい顔で)。

でも、そうはできないスピード感のなさがストレスでもあったし、プロダクションとしてもやっぱり「かさいあみ」の売り方は考えてるでしょうから、私にやらせたくないことはさせないでしょう。そういうのでチャンスをフイにしてるところもあったんじゃないかと思うともったいないなかったな～と。

そうですね、だから私の場合はフリーになってから総収入は増えたんですよ。

うーん、まあ収入が増える一方で必要経費もいっぱい出て行きますからねぇ(苦笑)。AV女優以外のお仕事も全てひっくるめての出費になるので、具体的な額面は言えないんですけど、たとえばそれまで事務所負担だったものって色々あって、それが交通費であったり性病検査の費用であったり、女優としてやっていく上でのランニングコストも自己負担になったので単純な収入増では喜べないですね(苦笑)。

だから確定申告もちゃんとやってます。去年までは税理士さんにお願いしていたんですけど、今年からは自分でやりはじめたんです。しかしこれがまあ書類不備で３回ほど出し直しがありまして(苦笑）。もしかすると、フリーになって苦労するようになった事で一番大きいのは確定申告かもしれない、あはははは。

フリーになったことで、それまでご縁のなかった業界の方も声をかけやすくなったせいかイラストの仕事がいただけたり、いろんなイベントに出演する機会も増えたり、プロダクション所属時代ではやってみたいけどご縁が無かったお仕事がすごく増えたのは事実ですね

かさいあみとしてイラストレーター、ラジオ、イベント企画、アニメグッズの制作会社経営…経営してるのは今２個くらいありますね。やりたいことが色々あった私にとっては、なんにでも挑戦できるいい環境ですよ！

お休みが減りました(笑)。

休みの日も自分で決めなきゃいけないんですけど「この日空いてる！」ってわかると、結局なんだかんだで書き物の仕事を入れちゃったりして完全オフにならないんですよ、あはは。

プロダクション所属時代のオフは本当に「休日！」って感じで、せっかくの休みだから何か遊ばないともったいないって感じでしたけど、今はそういう感覚じゃないですね。

そうなんですよ！ でも、やりたいことがオフでもできているので、以前よりもよっぽど充実感はありますね。

それがね、もう無理なんです。

2016年にAV出演強要問題が社会問題になったのをきっかけに、政府の取り組みもあってAV業界の体制はこの数年でガラリと変わったんですね。AV製作側も、出演者側もプロダクションが集まって団体を作りました。これで業界の健全化を目指す構造が出来上がったんですが…

プロダクションに所属していないフリーAV女優は、その出演者側の業界団体には入れません。

もうフリーAV女優はAVに出演できません。

それでもフリーでやりたいという多くの女優さんを支えるべく、私と三代目葵マリーさんが代表となって発足させたのが「フリー女優連盟」なのです!!（ズビシィ!!）