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川上奈々美さん引退を表明!AV、ストリップ、マスカッツ等マルチな才能を披露してきたアダルト業界への愛を語る!舞台や数々の映画そして「全裸監督」で世界デビューし役者として覚醒した川上奈々美さんの野望とは?!【川上奈々美 AV引退表明インタビュー】

2021.04.05

ほんとはやりたくなかったAVだけど・・・

川上さんは活動の幅が広すぎて、何から聞いていいのか分からないんです(笑)。

川上奈々美

私ももう分からないくらいです(笑)

2012年1月にアリスJAPANからデビューされましたが、最初はあまりAVをやる気がなかったんですよね。

川上奈々美

そうなんです。

芸能界というかバラエティ番組とかに出て有名になりたかったと聞いたことがあります。

川上奈々美

そうなんですよ。有名になりたかったんです(笑)。

それがどの時点からAVを頑張ってみようと変わられたんですか?

川上奈々美

頑張ってみようかなと思ったのは結構遅いんです。とにかく何かを求められることが大好きで、AVはやりたくなかったんですけど、求められている感覚を感じたんです。ファンの方に『脱いでくれてありがとう』なんて言われたんですけど、その時に『え? え!?』ってなったんです。それで喜んでくれる方たちのためにも、とにかく一生懸命クソ真面目にやって、一生懸命いい作品を撮りたいと思ったんです。

やりたくはかったけど、ファンの方たち思いには報いようと。

川上奈々美

目の前にあることは何でも夢中になってしまうので、求められたことは全力でやるんです。AVがイヤだったのは単純に小さい頃、性に関して抑圧されていたからなんです。人に見せるものではないという潜在意識が強すぎたから、それが罪悪感になり苦しかったんです。

でも、ファンがイベントにいっぱい来てくれて『本当にありがとう!』って言ってくれたので、『ありがとうなんだ? 私はいま素晴らしいことをしているのかもしれない』って思い、AV女優の仕事に対して誇りを持ってやった方がいいんだってなりました。でも、デビュー半年後に親にバレてしまい・・・。

AVに対して少し前向きになった矢先に!

川上奈々美

AV業界もストリップ業界も必要な世界だと思うんです。光と影、陰と陽で言ったら影で陰の世界ですけど、絶対にないといけない世界なので、私はこの世界を見られてよかったと思っています。もちろん後悔もしていません。

親バレをして、『あなた何をやっているの! 早く実家に帰ってきなさい!』って言われたんです。でも、私のやっていることは悪いことでもないし、誇りを持ってやっているし辞めないよ、帰らないよっていう意地がすごくて、親とは一時期、縁を切ったんです。いまはもう連絡を取っているんですけど。そこまで言ったからには頑張るしかなくなったんです。

そこで『絶対AV女優として売れてやろう』と。セックスという行為は大好きなんですけど、緊張もするし撮影でのセックスは当初、あまり気持ちよくなかったんですけど、『アタッカーズ』のレイプ、凌辱作品に出たらハマったんです

AV辞めようと思った

『アタッカーズ』デビューは2015年ですね。

川上奈々美

実は2015年に辞めようと思っていたんです。

えっ?じゃあAV頑張ってみようと思ったのはデビューから3年後ってことですか?それまではどんな気持ちでやられてたんですか?

川上奈々美

意地でやっていました(笑)。葛藤しながら求められる場所に行って、『売れたいなあ。どうしたら売れるんだろうなあ』って考えていました。

嫌々ながらも売れたい気持ちはあったんですね。

川上奈々美

有名にはなりたかったんです(笑)。でも3年やってAV女優としては売れないから無理かなと思って。

売れていなかったですか?売れてると思ってましたけど。

川上奈々美

みんなにそう言われるんですけど、自分の理想が高かったんですよね。

AV女優っぽくない、おっぱいがない、素朴と容姿にコンプレックスがあったんです。だから、私はここまでかなと思っていたときに『アタッカーズ』さんから凌辱作品をいただいて、どっぷりドラマモノで、暗いところに堕とされる役がきたんです。私自身、暗いものが好きなので、すごくハマって数字もついてきて楽しくなったんです。あとは恵比寿マスカッツも大きかったです

恵比寿マスカッツも2015年からですよね。

川上奈々美

そうなんです。2015年は恵比寿マスカッツ、アタッカーズ、アイデアポケット、アリスJAPAN、ストリップデビューといろいろ始まりました。

『辞める』って言ったときに、『最後だからいろいろやってみようよ』って言われて、捨てるものも何もないし、求められているならやろうと思って、投げやりになったとこもあって(笑)。

2015年は「変化の年でチャレンジしていきます」ってブログに書いてらっしゃいました。それは開き直りじゃないですけどそういう部分もあった?

川上奈々美

これ以上、何も出てこないし、とことんやりたいようにやろうと思ったんです。

理想は捨てた。「私は私」で開花。

当時、「理想の川上奈々美像があるけど、結構、ギャップがあります。」とも言っています。

川上奈々美

私の中には理想の形がガチガチにあったんです。麻美ゆまさんや吉沢明歩さんみたいなスターアイドルな女優が理想なんです。

それぞれ個性や見た目の違いがありますけど、川上さんも変わらないスターアイドルですよ。でも、本人としてはその2人には及ばないと。

川上奈々美

はい、私は素朴ですよ(笑)。でも、その素朴さゆえに恵比寿マスカッツでは、華やかな明日花キララちゃんの横に並ばされて、それも私の良さなんだなと教えてもらいました。その親近感やそこらへんにいる女の子らしさを武器にしようと思ったら、ドラマモノがフィットして、どんどん評価も数字も上がってきたんです。そこからすごく楽しくなってきて、映画のお仕事も2015年から始めたんです。映画の『メイクルーム』でグランプリ賞をいただいて、『え? 私まだいけるのかな?』って思ったんです。『下衆の愛』にも出させてもらい、監督やプロデューサーから『芝居の才能がある』って言ってもらい、ファンや関係者から期待される言葉がいっぱい降りかかってくるようになったんです。

みんなに背中を押されたというよりもケツを叩かれたくらい期待されて、『まだ、やれるのかな?』っていう感覚になり、AV、ストリッパー、役者、そしてプライベートの幸せも全部つかみ取ってやろうと思ったんです。でも、そこまで強欲だと人間って上手くいかなくなるんですよね(笑)。

というと?

川上奈々美

プライベートで精神や健康がズタボロになって、気持ちもついていかなくなり恵比寿マスカッツの副キャップも降ろされ、またくすぶり始めました。2016年はすごくハッピーな1年だったんですけど、そこからまた落とされて、『私はどうしたらいいんだろう?』ってなりました。AVや映画の仕事は上手くいっていたんですけど……

プライベートで何かありましたか?

川上奈々美

パートナーができた時期もありましたけど、パートナーに対してすごく傷つけたりしましたから、それは続かないですよね

忙しくてパートナーにまで気が回らないと。

川上奈々美

心の病気が半端じゃなかったです。あと、恵比寿マスカッツで副キャプテンを外されて、あそこが最後の砦だったんです。1列目に座れなければ私は出ない方がいいと思っていたくらいなんです。変な自信だけはあったんです。この頃はジャックナイフみたいな感じでした(笑)

尖ってたんですね(笑)。

川上奈々美

相当、尖っていました。恵比寿マスカッツのメンバーにも『話しかけずらい』って言われていました

それは「私はこれだけやっているんだ!っていう自信からきてたんですか?

川上奈々美

前にいた事務所がイケイケだったんです。そこにいたから私は大丈夫だみたいな感じで、恵比寿マスカッツに入っても私は『かかってこいや!』みたいな時期だったんです(笑)。だから副キャップを外されたときはくすぶりました。でも、映画界の人たちが期待の言葉をくれるから、必死にやっていたら『全裸監督』にも出られて覚悟が決まって。

覚悟が決まったというのは映画や演技の世界でやっていこう!と。

川上奈々美

そうです。確信が持てました

マッコイ斎藤に歯向かい副キャップを解任

「マスカッツやっていて『バッキャロー』と思うことがありますと発言していますが、具体的にどんな不満があったんですか?

川上奈々美

マッコイ斎藤さん(恵比寿マスカッツプロデューサー)が言うには私の理想が大きすぎて、それをメンバーに押し付けていたんです。マッコイさんのやり方に対していまも言いたいことはめちゃめちゃありますよ。マッコイさんから『今のやり方が気に入らないなら辞めてくれていいんだよ』って言われて、私は『辞めたいなんて一言も言っていないです』って言って、私は結構、歯向かうし、ハッキリ言ってしまうんですよね。

例えばどんなことを進言するんですか?

川上奈々美

ファンが喜ぶようなライブ作りをするようにとか、私たちの目標を明確にしてくださいとか言います。そう言うと『やらされてていいんだよ』って言うんです。要するに言われたとおりにやってろと。マスカッツはメンバーが葛藤しているところを見せるのがエンターテインメントなんです。だから、答えがない。ずっとメンバーは苦しくて。。いまだにマスカッツは難しいです。手ごたえがあったことは一回もないんです。悶々としている気持ちをずっと継続させないといけない感じ。

AVとは全く違う世界じゃないですか。気持ちの切り替えってできてました?

川上奈々美

全く切り替えが出来なくて、最近はマッコイさんが『芝居ができるんだから、役を自分に持ってきてマスカッツに挑めばいい』って言うんですけど、私は嘘がつけないから、作品があればその役に憑依できるんです。

でも川上奈々美自身がマスカッツに挑んでいるから嘘がなく、いまの現状を出すのが私なんです。『役を作らないといけない』って言われるんですけど、作れないし作りたくもないです(笑)。

じゃあいまだにマッコイさんとはプロレス状態?

ああああ

はい、もう5年も経っているのに変わらないです。でも、マッコイさんのことは好きです。本当に助けられました。バラエティは大好きで夢の世界が目の前にあるんですが、バラエティをやっている側は本当に大変です。今後はバラエティに出たいなんて言わないです(笑)。

マスカッツって台本がないんですよね?

川上奈々美

ないです。説明書が一切ないです。だから鍛えられています。マッコイさんの破天荒な演出にこれからも付いていきたいと思います。

AV女優として初めて浅草ロック座の大トリ

それからストリップの話になりますが、ストリップには特別な思い入れがあるように見受けられます。

川上奈々美

私がこのAV業界を好きになったのはストリップ業界を見たからなんです。ストリップに登壇するまではぬるま湯に浸かってたなぁって。

ストリップでは100公演、毎日、他の踊り子さんと生活してパフォーマンスをするんですが、姐さんたちが裸一貫で生きているのを目の当たりにしたんです。矢沢ようこ姐さんがステージ上でケガをして、翌日、休んだんですけど、穴が開くから、ようこ姐さんの役を私たち後輩が順番にやったんです。そのとき、みんなで作り上げている感じがしてすごく楽しくて。1時間30分×100公演を終えた達成感もあったし、踊り子さんはこれを1年中やっていて、それが素晴らしいしキレイだなって思ったんです。

AVデビューしてすぐに初めてストリップを見に連れて行かれたときは、イヤなイメージしかなかったんです。『そこまでしなくてよくない?』って。

でも、2015年に引退するつもりだったときに、浅草ロック座の社長から「ロック座を助けてくれ」って頭を下げられて。その頃のストリップって、AVを辞めたらストリップに出るみたいな、落ちていく場所のイメージだったんです。そのイメージを『現役AV女優が初めて大トリを務めることで変えたい』って言われたんです。その後、実際に舞台で立って見た景色とお客さんの熱量を体感して、ストリップが大好きになって。

川上さんは現役AV女優では初めて浅草ロック座の大トリを務めたんですね。

川上奈々美

そうなんです。そこから南まゆちゃんや上原亜衣ちゃんも大トリで立って、いろんな現役女優さんが立つことになったんです。浅草ロック座に立ってアンダーグラウンドで生きる女性の生きざまを見て、私自身人生観が変わり、とことん見たいと思うようになり1年に100公演立つようになりました。そこから、AV業界にもそういう熱いものが眠っているのかなと思い、いろんなAV監督さんとよく話すようになり、気持ちが変わりました。

アダルト業界引退も2022年2月のストリップ公演が最後ですが、恩返しの意味もあるんですか?

川上奈々美

もちろんそうです。ストリッパーは辞めたくなかったんですけど、次のステージに行くには一度、踏ん切りをつけないといけないので、AV女優として、ストリッパーとして2022年2月浅草ロック座公演を最後に引退します。劇場はすごく心強いです。女性を消費するだけという考えはもちろんありませんし、どうにか長く活かしてあげたいっていう業界なんです。素晴らしいですよ。

役者にならないといけない

2017年に「10周年を目指そうと思います」と書いてらっしゃいます。引退される2022年はちょうど10周年にあたります。実はかなり前から引退するのを決めていたんですか?

川上奈々美

コロナ前まではデビュー12周年まで頑張ろうと思ったんです。AV業界は自分の居場所を見つけると居心地がいいので、ここからいなくなることが怖かったんです。

でも、『全裸監督』に出て映画関係者から『旬を逃すのはもったいない』とか、『あと3年後の引退は長い』と言われ、人生って長いんじゃないの?って思っていたんですけど、風に乗らないといけないのかと思いました。 いま、役者の仕事がすごく来ていて体力的にAVと両立ができなくなってしまい、もっと役者として学ぶこともあるし、語学も学ばないといけないし。

『全裸監督』が役者としての自覚を芽生えさせてくれたんですね。

川上奈々美

役者にならないといけないと思いました。『全裸監督』の内田英治監督が、私をどうにかしたいという思いで『この子がいい』って原作には出てこない当て書き(その役を演じる俳優を最初から決めておいてから脚本を書くこと)の役を、ゲストヒロインとしてキャスティングしてくれたんです。

『全裸監督』はすごくしんどい現場で相当追い込まれましたが、作品になって世界中で配信されると、評価していただいて海外作品にも呼ばれるようになりました。そうすると、いままで自分をすごく狭い世界に閉じ込めていたんだなぁと思うようになって。

AV業界だけじゃないし、日本の芸能界もあるし、海外のマーケットもあるのに、自分で可能性を狭めていたんです。人生の最後まで芝居はしたいので、その道で生きたいのならいま俳優の道へ行くしかないと決意しました。

目標を定めて人生を歩んでおられますが、今後、役者としての活動で計画は立てていますか?

川上奈々美

2024年が転換期だと思っています。そこまでくすぶって役者はやってると思うんですけど、それまでに海外の作品にも出て、日本だけじゃなくていろいろ飛び回っているんじゃないですかね

役者として世界で活躍されていると。

川上奈々美

マスカッツでもそれを言うと笑われるんですけど、笑われていても嬉しいです

「そういえば川上奈々美ってAV出てたよねって言われるくらいになっちゃってるかもしれないですね。

川上奈々美

AV女優やストリッパーだったことを武器にしたいです。その歴史は絶対になくしたくないです